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津村巧の未発表小説群

(携帯版)

 

現役

*良い子は読まないように*

 

 死神を初めて見たのは……。何年前だっただろう。忘れた。

 母が亡くなる直前だったのは覚えている。

 

* * *

 

 家に帰る途中だった。ふと自宅がある方面に目を向けると、数十羽の烏が円を描くように飛んでいたのだ。カア、カア、カア、とうるさかった。烏らしい。

 なぜあんな風に飛んでいるのだろうと思って近付いたら、自宅の上に円を描いていたのを知った。

 迷惑行為である。しかし、人間でないので、警察を呼んでも無駄だろう。

「糞を落としたら一羽残らずブッ殺してやる」

 と、俺は呟くと、玄関に向かった。

 足が止まる。

 男が道のど真ん中で立っていた。黒い帽子。黒いコート。黒いネクタイ。黒いブーツ。何もかも黒い。糞つまらなさそうな顔で、俺の家を見つめていた。

 何だ、こいつ? と思った。

 泥棒が下見に来たのかと考えたが、それにしては身なりが良過ぎるし、目立つ場所に堂々と立っている。

 俺は不審に思いながら家に戻った。

 母が台所にいた。相変わらず肥っている。食事を一日七食取るので当然か。

 幼稚園に入り、本来食事は三食だ、という事実を知った時の衝撃は、今も覚えている。

「今日は早かったのね」

「ああ、まあ。あのさ、烏が上に飛んでるの、知ってる?」

「え? だから何かうるさいの?」

「屋根の上をグルグル飛び回ってるんだ」

「何でかしら」

「知らねえよ。あと、家の前に変な男が立ってるんだけど、知ってる人?」

 母は首を傾げ、

「どんな人?」

「黒い格好した変な男」

「さあ……」

 俺は窓から外を見た。

 黒衣の男は、糞つまらなさそうな表情を見せながら、堂々と立っていた。

「ほら、あれだよ」

 母は首を捻った。

「見たことない人ね」

「今から張り倒してやる」

「ただ立ってるだけでしょ。やめなさい」

「でも……」

「やめなさい。トラブルになったら大変でしょ」

「既にトラブルになってる」

「なってません」

 母の反対を押し切る気はなかったので、俺は諦めた。

 

* * *

 

 黒衣の男は次の日も、そしてその次の日も同じ場所で立っていた。

 烏が描く円は拡大していた。数も増えている。糞を落としていないのが幸いだった。

「今から張り倒してやる」

 と、俺は歯軋りしながら呟いた。

 母が、台所から、

「ただ立ってるだけでしょ。やめなさい」

「でも、三日間もああやって立ってるんだ」

「立ってるだけなんだから、いいでしょう」

「よくない! 張り倒してやる」

「やめなさい。トラブルになったら大変でしょ」

「既にトラブルになってる」

「なってません」

 

* * *

 

 今日も帰宅の際に立っていたらブッ飛ばしてやる、と俺はついに誓った。母が何を言おうと関係ない。

 その時、俺の元に電話が入った。

 母が倒れて病院に搬送された、と。

 俺は慌てて緊急病院に向かった。

 手遅れだった。心不全、ということだった。肥り過ぎが原因でしょうね、と。

 母とは霊安室で対面した。涙が出た。

 家に戻ると、鳥と黒衣の男は跡形もなく消えていた。ここ数日ずっと立っていた、というのが嘘だったかのようだ。

 ……どうやらあの男は死神だったらしい。母が死んでから男も烏も見られなくなったことがその証拠だ。

 確証はなかったが。

 

* * *

 

 確証を得たのは、母の死から五〇年後である。

 あの男とそっくりの黒衣の男が俺の目の前に現れたのだ。黒い帽子。黒いコート。黒いネクタイ。黒いブーツ。何もかも黒い。糞つまらなさそうな顔で、俺を見つめていた。

「お前、死神か?」

 黒衣の男は無言・無表情で頷いた。

「お前、母が死ぬ前にも現れたな?」

 黒衣の男は再び頷いた。

「俺も死ぬ、て訳か?」

 黒衣の男はまた頷いた。

「……そうか。仕方ない。……ん?」

 俺は目を大きく開いた。

 死神の注意が一瞬後方に向けられる。

 俺は前に出た。

「ふざけるんじゃねえよ! このタコが!」

 と、叫ぶと、俺は死神にミドル・キックを浴びせた。

 

(ドスッ)

 

「ウガッ」

 死神の顔に初めて表情が現れる。苦痛の表情だ。死神にも痛覚があるらしい。

「馬鹿め。とっとと失せろ、タコ」

 俺は、死神に蹴りをミドル・キックを数十発浴びせた。

 

(ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ)

 

「ウガッ、ウガッ、ウガッ、ウガッ、ウガッ、ウガッ」

「失せろ、タコ!」

 死神は命辛々逃げ出した。

 それからというもの、死神は何度も俺の周りに現れた。暴行されるのはもう懲り懲りだと考えたらしく、道のど真ん中に堂々と立つような真似はしなくなったが。

 俺はその度に死神を見付け出してはボコボコにして追い返している。

 最近は、死神のテクニックも巧妙になってきた。俺好みのFカップ美少女の格好をさせたりするのだ。

 しかし、死神は黒い服装で、烏が頭上に飛んでいないと駄目、という内部規定があるらしい。だから直ぐばれてしまう。

 

* * *

 

「お前、死神か?」

 と、俺は黒い格好の少女に訊いた。

 少女は無言・無表情で頷いた。

「俺は死ぬ、て訳か?」

 黒衣の少女はまた頷いた。

「……そうか。仕方ない。……ありゃ?」

 俺は目を大きく開いた。

 死神少女の注意が一瞬後方に向けられる。

 俺は前に出た。

「同じ手に引っかかるんじゃねえよ! このボケが!」

 と、叫ぶと、俺は死神にミドル・キックを浴びせた。

 

(ドスッ)

 

「ウガッ」

 死神少女の顔に苦痛の表情が現れる。この死神にも痛覚があるらしい。

 死神少女は俺好みの容貌だった。遠慮なく服をビリビリと引き裂く。予想以上の巨乳だ。Hカップはありそうだ。乳首もピンク色でピンと立っている。乳房は、身体を少し動かすだけでプルルンと美味しそうに揺れた。

 死神少女が胸を腕で隠し、悲鳴を上げる。

「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ」

「うるせえ、ボケ! 死神のくせにキャアキャア喚くな」

 俺はパンツを下ろすと、勃起した自分のイチモツを死神少女の股間に突き付けた。

「ヒッ」

 と、死神少女は仰け反った。Hカップの乳房がプルルンと揺れる。

 俺は、腰を猛スピードで前後させた。

 

(ズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコン……)

 

「ヒイ、ヒイ、ヒイッ」

 と、死神少女は悶えた。処女らしい。締まりは信じられないほどよかった。

 

(ズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコン……)

 

 頂点直前で、俺は自分でも惚れ惚れするほど見事なイチモツを引き出すと、死神少女の後頭部を掴み、顔射してやった。

「ヒイ、ヒイ、ヒイッ」

 と、死神少女は、精液塗れになりながら、悲鳴を上げた。

「馬鹿め。とっとと失せろ、ボケ」

 俺はパンツを上げると、死神を蹴り飛ばした。

 死神少女は大粒の涙を流しながら、全裸のまま逃げた。

 

* * *

 

「お前、死神か?」

 と、俺は黒い格好の老婆に訊いた。

 老婆は無言・無表情で俺を頷いた。

「俺は死ぬ、て訳か?」

 黒衣の老婆はまた頷いた。

「……そうか。仕方ない。……ありゃ?」

 俺は目を大きく開いた。

 死神老婆の注意が一瞬後方に向けられる。

 俺は前に出た。

「同じ手に引っかかるんじゃねえよ! このアホが!」

 と、叫ぶと、俺は死神老婆にミドル・キックを浴びせた。

 

(ドスッ)

 

「ウガッ」

 死神老婆の顔に表情が現れる。苦痛の表情だ。この死神にも痛覚はあるらしい。

 死神老婆は、当然のことながら婆だ。目の当たりにするだけで目が腐る。しかし、女であることには変わらない。遠慮なく服をビリビリと引き裂く。以前は巨乳だったらしい。萎んだ乳房はへその辺りにまで垂れていた。。

 死神老婆が胸を腕で隠し、悲鳴を上げる。

「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ」

「うるせえ、ボケ! 死神のくせにキャアキャア喚くな」

 俺はパンツを下ろすと、勃起した自分のイチモツを死神老婆の股間に突き付けた。

「ヒッ」

 と、死神老婆は仰け反った。元Hカップの乳房が、ブランコのように左右に揺れる。

 俺は、腰を猛スピードで前後させた。

 

(ズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコン……)

 

「ヒイ、ヒイ、ヒイッ」

 と、死神老女は悶えた。久し振りの交尾だったらしい。締まりは信じられないほどよかった。

 

(ズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコン……)

 

 頂点直前で、俺は自分でも惚れ惚れするほど見事なイチモツを引き出すと、死神老婆の後頭部を掴み、顔射してやった。

「ヒイ、ヒイ、ヒイッ」

 と、死神老婆は、精液塗れになりながら、悲鳴を上げた。

「馬鹿め。とっとと失せろ、ボケ」

 俺はパンツを上げると、死神老婆を蹴り飛ばした。

 死神老婆は大粒の涙を流しながら、全裸のまま逃げた。

 

* * *

 

 ……という訳で、今年、俺は六七〇才。まだまだ生きるぜ。自分でも惚れ惚れするほど見事なイチモツも、バリバリ現役だ。

 

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